無知と伝統を切断し、荒廃した精神が蔓延する時代に、生命の豊かさ、美しさを伝える、詩歌への祈りに満ちた、著者初の魂の文章集。
いくつもの季節を遙かに越えて、〈私〉はまた遠い約束をしてしまう。まだ間に合うだろうか。それとも、もう、間に合わないだろうか‥‥。 豊熟の第二歌集。
境界は見えぬがふいに百年の夕闇下りて草匂いたつ 木の椅子は孤島であればからだごと打ち上げられて眠ってしまう 深々と身奥に蓄積された歳月が、時間を越え、境界をなくして、不可思議な揺らぎとなって表出された、恩寵の第四歌集。
佐伯裕子氏「敏感に社会を見つめ、反応していく眼差しは、「閉ざされた老い」のものではない。『花』は、閉塞しがちな老齢社会の現代に、一身を通して、「開かれた老い」をうたい続けようとした歌集である。わたしは、その、またとない老いの宴の一冊を、ともに喜び、送り出したい。」
岡井隆氏「たんたんと描かれているだけに、その自画像には悽愴の気さへ漂ふ。のぼり坂がそのまま下り坂であるやうな不思議なカフカ的心象風景も出現する。『北の医局』に続く第二歌集。どうか一気に読み、さらに一首一首噛むやうに味はつて下さい。」